本記事は、国税庁などの公的資料を参考に作成しています。

株の利益は確定申告が必要?

株式の配当や売買益で得た利益は、配当所得や譲渡所得となります。口座の種類や損益などによって申告の有無が異なります。

確定申告が必要になるケース

  • 特定口座(源泉徴収なし)で株の売却益がある場合
  • 一般口座で株の売却益がある場合

確定申告をしたほうがよいケース

原則として、特定口座(源泉徴収あり)の場合は確定申告不要ですが、次のような場合は確定申告した方が有利になる場合があります。

  • 複数の証券口座で利益と損失が出ている
  • 株の売却損を配当所得と損益通算したい
  • 前年までの損失を今年の利益から差し引きたい
  • 所得が低く、総合課税と配当控除を使うと税金が戻る可能性がある

確定申告が不要なケース

  • 特定口座(源泉徴収あり)だけで取引している場合
  • NISA口座の場合
  • 確定申告で損益通算や繰越控除を使わない場合
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。

口座の種類で申告の必要性が変わる

株式の売買損益は、口座の種類によって申告の扱いが変わります。

口座の種類確定申告特徴
特定口座(源泉徴収あり)原則不要税金を証券会社が計算・納付
特定口座(源泉徴収なし)必要年間取引報告書をもとに自分で申告
一般口座必要取引ごとの計算も自分で行う

特定口座(源泉徴収あり)でも、複数の証券会社を使っている場合や、損失を翌年以降に繰り越したい場合は確定申告をした方がお得になる場合があります。

株の利益は何所得になる?

株の利益は、取引の内容によって所得区分が異なります。

  • 株式の配当金や投資信託の分配金などは、配当所得です。
  • 株式を売って利益が出た場合は、株式等の譲渡所得です。

配当の課税方法は選択できる

上場株式等の配当は、次の3つから選べます。

課税方法概要配当控除損益通算
申告不要源泉徴収だけで完結。申告しないなしなし
総合課税給与など他の所得と合算して計算ありなし
申告分離課税他の所得と分けて一律20.315%で計算なし株の損失と通算できる

所得が低い人は、総合課税を選んで配当控除を受けると有利になることがあります。一方、株の売却損がある人は、申告分離課税を選ぶことで配当と損益通算できる場合があります。

配当の課税方法は、確定申告する上場株式等の配当所得の全額について、どれか1つを選ぶ必要があります。

株の利益の計算方法

収入金額の考え方

株の売却益は、売却した金額から取得費などを差し引いて確認します。

配当金は、支払通知書や年間取引報告書で金額を確認します。

必要経費として計上できるもの

株式の売却では、取得費や売買手数料などが計算に関係します。

証券会社の年間取引報告書を使うと、申告に必要な金額を確認しやすくなります。

株の利益を確定申告しないとどうなる?

確定申告が必要なのに申告しないと、申告漏れと確認され、あとから税金や加算税などが発生する場合があります。

  • 必要な確定申告をしなかった場合、無申告加算税がかかることがあります。
  • 本来の納期限までに税金を納めていない場合、延滞税がかかることがあります。

申告期限を過ぎた場合の対応については以下で説明しています。

確定申告で準備するもの

  • マイナンバーカード(e-Tax送信に必要)
  • スマホ(「マイナポータルアプリ」をインストールしておく)
  • 年間取引報告書
  • 配当の支払通知書
  • 勤務先の源泉徴収票(会社員の場合)
  • 各種控除証明書
  • 還付金振込先の銀行口座番号

マイナポータル連携に対応している証券会社なら、特定口座データを自動取得できる場合があります。事前に証券会社側で電子交付や連携設定を確認しておきましょう。

確定申告の手順

  1. スマホで国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「作成開始」をクリック
  2. 「e-Tax(マイナンバーカード方式)」を選択
  3. 申告の種類は「所得税」を選択
  4. 「マイナポータルアプリ」で本人確認
  5. 収入の選択で「株式等の譲渡、配当、利子」を選択
  6. 特定口座年間取引報告書や配当の支払通知書の内容を入力
  7. 配当を申告する場合は、総合課税または申告分離課税を選ぶ
  8. 株式の譲渡損失や繰越控除がある場合は、損益通算・繰越控除の金額を入力
  9. 受けられる控除を入力
  10. 入力結果(納税額または還付金額)を確認
  11. 送信前の申告データを確認
  12. 「送信」をクリックしてe-Tax送信
  13. 送信済みの申告データと入力データを保存

確定申告の基本的な流れについては以下で説明しています。

まとめ

  • 特定口座(源泉徴収あり)の場合、株の配当や売買損益は原則として申告不要です。
  • 複数口座の損益通算、配当との通算、損失の繰越控除を使う場合は、確定申告が有利になることがあります。
  • 配当は申告不要、総合課税、申告分離課税から選びます。
  • 特定口座年間取引報告書や支払通知書を手元に用意し、確定申告書等作成コーナーからe-Tax送信しましょう。

参考・出典