本記事は、国税庁などの公的資料を参考に作成しています。

退職金は確定申告が必要?

退職金や退職手当を一時金で受け取った場合は、原則として退職所得に分類されます。所得金額が一定の金額を超えると確定申告が必要になる場合があります。

確定申告が必要になるケース

  • 「退職所得の受給に関する申告書」を提出せずに退職金を受け取った場合
  • 複数の勤務先から退職金を受け取り、適切な税額調整が行われていない場合
  • 海外企業などから退職金を受け取り、日本で申告が必要な場合
  • 退職金以外に申告が必要な所得がある場合

確定申告が不要なケース

  • 勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出して退職金を受け取った場合
  • 退職金以外に申告が必要な所得がない場合
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。

退職金は何所得になる?

退職金は、受け取り方によって所得区分が異なります。所得区分が変わると、税額や申告書で入力する場所が変わります。

  • 退職金を一時金で受け取る場合は、退職所得となります。
  • 退職金を年金形式で受け取る場合は、雑所得となる場合があります。支払者から届く書類を確認し、受け取り方に合わせて判断します。
どちらの所得に当たるか不明の場合は、税理士や税務署に相談しましょう。

退職金の利益の計算方法

収入金額の考え方

退職金では、受け取った退職手当や退職一時金の金額を確認します。

退職金の源泉徴収票がある場合は、支払金額や源泉徴収税額を確認しましょう。

必要経費として計上できるもの

退職所得は、一般的な売上から経費を引く計算ではなく、退職所得控除を使って計算します。

勤続年数によって控除額が変わります。

利益、所得の計算例

退職金がすべて課税されるわけではありません。退職金には「退職所得控除額」が適用され、以下の計算式で算出します。

退職所得 =(退職金 − 退職所得控除額)× 1/2

退職所得控除額は勤続年数によって変わります。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円 × 勤続年数(最低80万円)
20年超800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

例)勤続30年で退職金2,000万円を受け取った場合

800万円 + 70万円 ×(30年 − 20年)
= 1,500万円



(2,000万円 − 1,500万円)× 1/2
= 250万円(課税される退職所得)

退職金を確定申告しないとどうなる?

確定申告が必要なのに申告しないと、申告漏れと確認され、あとから税金や加算税などが発生する場合があります。

  • 必要な確定申告をしなかった場合、無申告加算税がかかることがあります。
  • 本来の納期限までに税金を納めていない場合、延滞税がかかることがあります。

申告期限を過ぎた場合の対応については以下で説明しています。

確定申告で準備するもの

  • マイナンバーカード(e-Tax送信に必要)
  • スマホ(「マイナポータルアプリ」をインストールしておく)
  • 勤務先の源泉徴収票(会社員の場合)
  • 各種控除証明書
  • 還付金振込先の銀行口座番号

確定申告の手順

確定申告書は、国税庁WEBサイト「確定申告書等作成コーナー」で作成・送信できます。スマホを使って、マイナンバーカードで本人確認する方法が便利です。

確定申告手順については以下で説明しています。

退職金の確定申告に関するよくある質問

退職金だけでも確定申告は必要?

勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、退職金だけなら原則として確定申告は不要です。

申告書を提出していない場合は?

退職金から一律で源泉徴収されているため、確定申告で精算すると税金が戻る可能性があります。

退職金を年金形式で受け取る場合は?

年金形式で受け取る場合は、退職所得ではなく雑所得として扱われることがあります。

まとめ

  • 退職金を一時金で受け取った場合は、原則として退職所得になります。
  • 勤務先に退職所得の受給に関する申告書を提出していれば、退職金だけなら原則として確定申告は不要です。
  • 申告書を提出していない場合や、ほかに申告したい控除・所得がある場合は、確定申告で精算します。

参考・出典