ナフサって、ガソリンや灯油と何が違うの?

ナフサとは?

ナフサとは、原油を精製して作られる石油製品の一種です。

ガソリンや灯油のように家庭でそのまま使う燃料ではありません。主に、プラスチックや合成ゴムなどを作るための石油化学原料として使われます。

ポイント ナフサは、身の回りのさまざまな製品の材料になる石油製品です。

ナフサから作られるもの

ナフサは、いきなり完成品になるわけではありません。おおまかな流れは次のとおりです。

原油

ナフサ

エチレン・プロピレン・トルエンなど

ポリエチレン・ポリプロピレン・合成ゴム・溶剤など

プラスチック製品・ゴム製品・塗料・繊維製品など

ナフサ由来の化学製品が使われる分野には、以下があります。

  • 一般消費財(ポリ袋、プラスチック容器など)
  • 自動車(樹脂部品、ゴム製品、塗料など)
  • 建設・土木(塩化ビニル、接着剤、塗料など)
  • 電機・電子(電子部品、樹脂材料など)
  • 医薬品・医療機器(容器、部材、関連素材など)
  • 繊維(ポリエステル、ナイロン樹脂など)

つまり、ナフサは「石油業界だけの話」ではありません。自動車、住宅、家電、医療、日用品まで、幅広い産業の材料につながっています。

ナフサの調達が不安定になると何が起きる?

ナフサの調達が不安定になったときに影響を受けやすいのは、化学製品を作る企業です。

石油化学のサプライチェーンには、原料、中間製品、完成品の在庫があります。また、企業や政府は、調達先の分散や国内精製の継続で供給を保とうとするので、すぐに店頭の商品がなくなるとは限りません。

一方で、供給不安のニュースが出ると、需要側が普段より多く発注してしまい、流通の目詰まりにつながった事例があります。

日本はナフサをどう調達している?

日本のナフサ調達は、大きく分けると次の3つです。

  • 国内で原油を精製してナフサを作る
  • 中東からナフサを輸入する
  • 中東以外の地域からナフサを輸入する

ナフサの調達元

2024年のナフサそのものの調達元の割合は以下のとおりです。

調達元2024年の割合
中東44.6%
国産39.4%
その他の輸入16.0%

ただし、ここでいう「国産」は、海外から輸入した原油を日本国内で精製して作ったナフサも含まれています。日本国内で採れた原油だけを意味するわけではありません。

原油の調達元

ナフサの原料となる原油の調達元は、2025年実績で以下のとおりです。原油は9割以上が中東からの輸入です。

原油の調達元2025年実績の割合
中東約94.1%
米国約3.8%
その他約2.1%
補足 ナフサの安定供給は、ナフサそのものの輸入だけでなく、原油の調達、国内精製、製品在庫を組み合わせて考えられています。

中東情勢とナフサの関係

ナフサおよびナフサの原料となる原油は、中東からの調達比率が高いため、中東情勢の影響を受けやすい商品です。

2026年5月の実績では原油の調達元は9割以上が中東ですが、米国、アルジェリア、ペルーなどの中東以外からの輸入ナフサを増やす動きもあります。

ナフサの供給を見るときは、単に「中東依存だから危ない」と見るのではなく、次の点をあわせて確認します。

  • 国内での精製が続いているか
  • 中東以外からの輸入が増えているか
  • 中間製品や川下製品の在庫があるか
  • 需要側で過剰発注が起きていないか
ポイント ナフサのニュースは、調達元の割合だけでなく、国内精製、在庫、代替調達をセットで見ると判断しやすくなります。

暮らしの物価とどう関係する?

ナフサそのものを家計が直接買う場面はほとんどありませんが、原油価格や輸送費、為替、供給不安などにより、ナフサを原料とする製品をつくる企業のコストに影響します。

企業がコスト増を吸収できない場合、最終的に製品価格へ反映される可能性があります。たとえば、日用品、包装資材、住宅関連資材、自動車部品などです。

物価が上がるしくみについては以下で説明しています。

まとめ

  • ナフサは、原油を精製して作られる石油製品の一種です。
  • 主にプラスチック、合成ゴム、塗料、接着剤、繊維などの原料になります。
  • 日本のナフサ調達は、中東、国産、その他地域からの輸入で成り立っています。
  • ナフサそのものの調達、ナフサの原料となる原油の調達は中東比率が高いため、供給や価格変動は中東情勢に影響されます。

参考・出典