贈与税とは?

贈与税(ぞうよぜい)とは、個人から財産を無償でもらったときにかかる税金です。現金・預金だけでなく、不動産や株式など、ほぼすべての財産が対象になります。

納める義務があるのは、財産を受け取った側(受贈者)です。

ポイント 法人からもらった財産には贈与税ではなく所得税がかかります。贈与税は「個人から個人」への財産移転だけが対象です。

課税方法は2種類

贈与税の課税方法は以下の2種類あります。

課税方法基礎控除特徴
暦年課税年110万円何も選択しなければ自動でこちら
相続時精算課税年110万円+特別控除2,500万円60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選択可能
補足 相続時精算課税を一度選ぶと、その贈与者からの贈与は暦年課税に戻せません。長期的な視点で選ぶ必要があります。

贈与税がかかるもの・かからないもの

贈与税がかかる主なケース

  • 親や祖父母から現金・預金をもらった
  • 親族や知人から不動産や株式の名義変更を受けた
  • 自分が保険料を払っていない生命保険金を受け取った
  • 借金を免除してもらった

贈与税がかからない主なケース

  • 法人からの贈与(所得税の対象となり、贈与税はかからない)
  • 親からの仕送りや学費など、扶養義務者からの生活費・教育費
  • 香典・お祝い・お中元など(社会通念上相当と認められる金品)
  • 直系尊属(父母・祖父母)からの住宅取得等資金、教育資金の一括贈与、結婚や子育て資金の一括贈与

直系尊属は、自分より前の世代で直接つながっている血族のことです。 義母・義父、おじ・おば、兄弟姉妹は直系尊属ではありません。

注意 生活費や教育費の名目でもらっても、預金・株式・不動産の購入にあてた場合は贈与税の対象になります。

暦年課税の計算方法

1年間(1月1日〜12月31日)にもらった財産の合計額から、基礎控除110万円を引いた金額に税率をかけて計算します。

贈与税額 = (年間の贈与財産の合計 − 110万円)× 税率 − 控除額

110万円以下なら税金はかからず、申告も不要です。

税率は2種類ある

直系尊属(父母・祖父母など)から18歳以上の子・孫がもらう場合は特例税率、それ以外は一般税率を使います。

特例税率(直系尊属から18歳以上の子・孫への贈与)

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

一般税率(兄弟間・夫婦間・親から未成年の子への贈与など)

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円

計算例

例:父から25歳の子へ500万円を贈与した場合(特例税率)

基礎控除後の課税価格 = 500万円 − 110万円 = 390万円
贈与税額 = 390万円 × 15% − 10万円 = 48万5,000円

相続時精算課税の計算方法

特定の贈与者ごとに選択できる制度で、年110万円の基礎控除に加えて、累計2,500万円まで特別控除が使えます。2,500万円を超えた部分には一律20%の税率がかかります。

贈与税額 = (年間の贈与額 − 110万円 − 特別控除残額)× 20%

適用できる人の要件

  • 贈与者:贈与をした年の1月1日で60歳以上の父母・祖父母
  • 受贈者:贈与を受けた年の1月1日で18歳以上で、贈与者の推定相続人である子または孫
注意 相続時精算課税で受け取った財産は、贈与者が亡くなったときに相続財産に加算され、相続税の対象になります。「税金がゼロになる」制度ではない点に注意してください。

贈与税の申告と納税

贈与税の申告期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。所得税の確定申告と同じ時期ですが、申告書は別の様式になります。

申告が必要なケース

ケース申告の要否
暦年課税で年110万円以下しかもらっていない不要
暦年課税で年110万円超をもらった必要
相続時精算課税を初めて選ぶ必要(選択届出書の提出も必要)
相続時精算課税の選択後、年110万円超をもらった必要

申告先は受贈者の住所地を管轄する税務署で、e-Taxからの提出もできます。

補足 納付が難しい場合は、税額10万円超なら最長5年の延納制度を使えます。利用するときは申告期限までに申請が必要です。

関連記事

法人からもらった財産は所得税の対象です。所得税の仕組みについては以下で説明しています。

まとめ

  • 贈与税は、個人から財産を無償でもらった受贈者にかかる税金です。
  • 課税方法は暦年課税と相続時精算課税の2種類で、暦年課税は年110万円までは非課税です。
  • 相続時精算課税は60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選択でき、累計2,500万円まで特別控除が使えます。
  • 申告期限は贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日で、所得税の確定申告と同じ時期です。

参考・出典