雇用保険とは?

雇用保険は、失業中の生活と再就職を支える公的保険です。 働く人が離職したとき、求職活動をしながら給付を受けられます。

保険料は働いている間に給与から差し引かれ、労働者と事業主がそれぞれ負担する仕組みです。給与明細で「雇用保険料」の欄を確認すると、自分の負担額を確認できます。

雇用保険の給付となる「失業手当」と呼ばれるものは、正式な制度名は「基本手当」といいます。

この記事では、「基本手当(失業手当)」に絞って説明します。

ポイント 雇用保険は「退職したら自動でもらえるお金」ではありません。働く意思と能力があり、求職活動をしていることが前提です。

雇用保険の給付の種類

主な給付は以下のとおりです。

給付内容
基本手当(失業手当)離職後、求職活動をしながら受ける給付
就職促進給付早く再就職した人などを支える給付
教育訓練給付対象講座を受ける人を支える給付
雇用継続給付高年齢者などの雇用継続を支える給付
育児休業等給付育児休業などを取る人を支える給付

失業手当を受けられる人

失業手当は、以下のような状態にある人が対象です。

  • 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上ある(倒産や解雇などの事情がある人は、6か月以上で対象になる場合がある)
  • 就職しようとする意思がある
  • いつでも就職できる能力がある
  • 本人やハローワークの努力でも職業に就けない
  • 求職活動をしている

病気やけが、妊娠・出産・育児などですぐ働けない場合は、失業手当を受けられないことがあります。

注意 受給できるかどうかは、離職理由や被保険者期間で変わります。ハローワークで確認しましょう。

失業手当はいくらもらえる?

失業手当の1日あたりの金額を基本手当日額といいます。基本手当日額は、原則として離職直前6か月の賃金をもとに計算されます。

計算の考え方は以下です。

賃金日額 = 離職直前6か月の賃金合計 ÷ 180
基本手当日額 = 賃金日額の約50%〜80%(給付率)

60歳以上65歳未満の人は、およそ45%〜80%です。

年齢別日額の上限

基本手当日額は、年齢区分ごとに上限額があります。(2025年8月1日時点)

離職時の年齢基本手当日額の上限
30歳未満7,255円
30歳以上45歳未満8,055円
45歳以上60歳未満8,870円
60歳以上65歳未満7,623円

40歳/月給30万円だった人の日額の概算

40歳で離職直前6か月の月給が毎月30万円だった場合の計算式は以下です。

月給30万円 × 6か月 = 1,800,000円
1,800,000円 ÷ 180 = 10,000円

賃金日額10,000円 × 約50%〜80%
= 約5,000円〜8,000円

基本手当日額の目安は、約5,000円〜8,000円です。

※ 金額は概算です。実際は賃金、年齢、離職理由、上限額で変わります。

失業手当は何日分もらえる?

支給を受けられる日数を、所定給付日数といいます。 日数は、年齢、雇用保険に入っていた期間、離職理由などで変わります。

一般的な離職者は、90日から150日です。 倒産や解雇などの人は、90日から330日になる場合があります。 就職が難しい事情がある人は、さらに長くなる場合があります。

補足 65歳以上の被保険者が失業した場合は、一般の基本手当とは異なる高年齢求職者給付金の対象になる場合があります。

手続きの流れ

失業手当を受けるには、住所地のハローワークで手続きします。

大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 在職中に雇用保険被保険者証などを確認する
  2. 退職後、会社から離職票を受け取る
  3. ハローワークで求職の申込みをする
  4. 離職票を提出し、受給資格の決定を受ける
  5. 受給説明会に参加する
  6. 求職活動を行う
  7. 原則4週間に1度、失業の認定を受ける
  8. 認定後に給付を受ける

退職後の手続き全体については以下で説明しています。

まとめ

  • 雇用保険は、失業中の生活と再就職を支える公的保険です。
  • 一般に失業手当と呼ばれるものは、正式には基本手当です。
  • 基本手当日額は、離職直前6か月の賃金と年齢別の上限額で変わります。
  • 手続きは、離職票を受け取ったあと、住居地を管轄するハローワークで行います。

参考・出典