NISA(ニーサ)は、投資で得た利益に税金がかからない国の制度です。この記事では、投資を始める人が知っておきたいNISAの基本をまとめました。
※特定の商品や投資方法をすすめるものではありません。
NISAとは?
NISAは、投資で得た利益にかかる税金が非課税になる制度のことです。
- 通常、株式や投資信託の運用益には20.315%の税金がかかるが、NISA口座内の利益には税金がかからない
- 2024年から制度が新しくなり、投資できる枠が「つみたて投資枠」「成長投資枠」の2つに広がった
| 項目 | NISA(2024年〜) |
|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円/年 |
| 成長投資枠 | 240万円/年 |
| 年間の合計 | 最大360万円/年 |
| 生涯の非課税保有限度額 | 1,800万円(うち成長投資枠1,200万円) |
| 非課税で保有できる期間 | 無期限 |
| 口座開設期間 | 恒久化 |
| 対象年齢 | 18歳以上 |
つみたて投資枠は、長期の積立・分散に適した一定の投資信託が対象です。成長投資枠は、上場株式や投資信託などに使えます。
なぜ投資が必要か?
物価は上昇し続ける
物価上昇(インフレ)とは、モノやサービスの値段が上がっていくことです。
物価の緩やかな上昇は、経済の持続的な成長を支えるとされており、日本銀行は2013年1月の金融政策決定会合で、消費者物価の前年比上昇率2%を「物価安定の目標」として導入しています。
預貯金の金利が低い
物価が緩やかに上がる一方で、預貯金の利息がそれを下回ると、貯金だけではお金が目減りしていきます。
投資で経済成長の恩恵を受け取る
投資とは、銀行などに預けたり、株式や債券、投資信託などを購入したりして、資金を経済活動に提供することです。
企業は投資されたお金で設備投資や研究開発、商品・サービスの提供を行い、そこで得た利益の一部は、配当や利子という形で投資家に還元されるため、経済成長の恩恵を受けられます。
投資には複利の効果がある
複利とは、運用で得た利息を元の元本にプラスして、さらに増やしていくことです。
小さな雪玉を転がすうちに、どんどん大きな雪だるまになっていくイメージで、利息が新たな利息を生み出します。はじめは変化が小さく見えても、時間をかけるほど効果があります。
今の株式市場は長期で右肩上がり
日経平均株価は、長期でみると上昇してきました。2012年の年末は約10,300円だったのが、2024年の年末は39,894円となり、2026年7月時点では高値72,366円をつけています。
※上昇が続いてきたことは、これからも上がり続けることを保証するものではありません。株価が高い局面では割高になっているという見方もあります。
代表的な過去の暴落事例
株式市場で起きた大きな暴落の代表例は以下です。
| 暴落 | 下落率(概算) | 高値回復までの期間 |
|---|---|---|
| リーマンショック | 約61% | 約8年 |
| コロナショック | 約29% | 1年以内 |
※下落率と回復期間は、日経平均株価の年次の高値・安値・終値をもとに算出した概算です。
リーマンショック(2008年〜)
- 2008年9月、米国の大手投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけに、世界的な金融危機が起きた
- 日経平均株価の下落率は約61%(2007年の高値18,261円から、2009年の安値7,054円まで下落)
- 回復までは約8年
コロナショック(2020年)
- 2020年2月下旬以降、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界の株価が急落
- 日経平均株価の下落率は約29%(2020年初めの約23,000円から、3月の安値16,552円まで下落)
- 回復までは1年以内(各国政府と中央銀行の大規模な対策や、日本銀行の総額100兆円を超える資金繰り支援の特別プログラムを実施)
暴落時も積立を続けた場合
金融庁は、日経平均株価に30年間(1990年1月〜2020年3月)毎月末に1万円ずつ積立投資した場合の試算を公表しています。
- この期間、日経平均は37,189円から18,917円へと半値以下に下がる
- 積立を続けた場合の資産評価額は、積み立てた元本の合計を上回る
暴落は避けられませんが、積立・分散を長く続けることで、回復している実績があります。
投資のリスク軽減のためにできること
金融庁では、投資のリスクを軽減するためのキーワードとして以下4つを挙げています。
1. 長期で運用する
- 保有期間が長くなるほど、リターンが安定する傾向がある
2. 積立投資(時間の分散)
- 積立投資とは「あらかじめ決まった金額」を「続けて」投資する方法
- 価格が高いときは少なく、低いときは多く購入でき、平均購入単価をならす
3. 分散投資
- 値動きの異なる複数の資産に分けて投資すると、全体として価格の変動が小さくなる
- 国内だけでなく、先進国・新興国などの地域に分散
- 株式だけでなく、債券や不動産・金などに分散
4. 非課税制度を活用する
- NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の非課税制度を活用
- 税負担を抑えながら長期の資産形成ができる
一括と積立どっち?シミュレーション
前提
以下の内容で20年間運用したと仮定してシミュレーションします。
- 想定利回り:年3%(全世界株式の長期実績より控えめに設定)
- 積立:毎月2万円を20年間(投資元本480万円)
- 一括:480万円を最初に投資し20年間保有
シミュレーション①年利3%が継続
一度も暴落が起きず、年利3%が継続した場合です。
| 投資方法 | 投資元本 | 20年後の評価額(目安) |
|---|---|---|
| 積立(毎月2万円) | 480万円 | 約654万円 |
| 一括(480万円) | 480万円 | 約867万円 |
シミュレーション②1年目に暴落+年利3%
投資を始めた直後の1年目に相場が30%下落し、その後5年かけて暴落前の水準まで回復、ふたたび年3%で増えると仮定した場合です。
| 投資方法 | 投資元本 | 20年後の評価額(目安) |
|---|---|---|
| 積立(毎月2万円) | 480万円 | 約670万円 |
| 一括(480万円) | 480万円 | 約748万円 |
シミュレーション②10年目に暴落+年利3%
投資を始めて10年目に相場が30%下落し、その後5年かけて暴落前の水準まで回復、ふたたび年3%で増えると仮定した場合です。
| 投資方法 | 投資元本 | 20年後の評価額(目安) |
|---|---|---|
| 積立(毎月2万円) | 480万円 | 約619万円 |
| 一括(480万円) | 480万円 | 約748万円 |
まなびのすけのNISAの使い方
私は「つみたてNISA」を利用して、毎月積立を行っています。
長期運用と割り切った場合は、一括投資の方が有利に見えます。ですが、一括投資した後、早めに暴落が来てしまうと、評価損がマイナスになる期間が続く可能性があり、不安になりそうだなと思うからです。
そもそも、一括で投資できるお金もないですし、コツコツ積立派でやってます。
※これは判断の一例であり、最適な方法は人によって異なります。
よくある質問(FAQ)
Q. 一括投資と積立投資はどちらが効率がいいですか?
相場が右肩上がりに進む場合は、早く多く投資する一括のほうが有利になりやすいです。一方、投資直後に暴落が来る場合は、下落時に買い増せる積立のほうがダメージを抑えられます。どちらが有利かは、投資後の値動き次第で変わります。
Q. 暴落が怖いです。今から始めても大丈夫ですか?
暴落がいつくるのかは誰にもわかりませんが、過去実績でみると、投資を続けることで回復した局面がありました。まとまった資金を一度に入れるのが不安な場合は、時期を分けて積み立てる方法があります。いずれにしても、生活費とは別の余裕資金で始めるのが基本です。
Q. 新NISAの非課税枠はいくらですか?
年間の投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円です。生涯の非課税保有限度額は1,800万円ですが、このうち成長投資枠は1,200万円までです。
Q. 積立の途中で暴落したら、やめたほうがいいですか?
積立を止めると、安く買い増せる機会を逃すことになります。金融庁の試算でも、下落時に売却して手放したり積立をやめたりすると、長期・分散の効果が弱くなると説明されています。続けられる金額で始めることが大切です。
Q. 一括投資は危険ですか?
一括投資そのものが危険なわけではありません。ただし、投資直後に暴落が来ると回復に時間がかかる場合があります。値動きの影響を一度に受ける点を理解したうえで、金額と時期を判断します。