スマホ特化のレイアウトについて、企業サイトの実例、特徴・メリット、採用するかの判断ポイント、などについてまとめました。
PCでもスマホ版を表示するレイアウト
「モバイルファースト」は、スマホの画面設計を先に行い、後からPCなどの大画面へ拡張していく設計思想のことです。
最近では、PCでもスマホ用の縦1カラムを画面中央にそのまま掲載するようなWEBページを見かけるようになりました。「モバイルファーストLP」「スマホ特化型LP」「中央1カラム配置」などです。
企業のWEBページ例
PCでもスマホのデザインをそのまま採用している企業ページを紹介します。
※各LPは2026年7月時点で確認したものです。キャンペーン内容や公開状況は変わることがあります。
レイアウトの特徴・メリット
可読性・視線集中・ブランディング・制作効率の面で特徴があります。
1. 可読性の向上
コンテンツ幅を狭めて中央に配置すると、可読性が向上します。
- 文章を読む際、横幅が広すぎるとと行末から次の行頭へ視点を移動する際に行を見失いやすい
- Webの可読性調査では50〜75文字(英語)が目安とされており、全角日本語の場合は30〜40字程度が目安
2. 視線集中による目的達成
中央配置のコンテンツ部分のみをスクロール対象にすると、視線を中央に固定でき、余計な目移りを防げます。
- 左右に視線が移動せず、上から下への流れがスムーズになる
- 視線固定により、申し込みや会員登録などの1つの最終目的へ移動しやすい
- サイト内の回遊を促すWEBメディアとは真逆の構造
3. PCの余白を有効活用
中央にスマホ幅のコンテンツを配置すると、PCでは左右に余白(注視しないまでも視界に入っている状態のエリア)ができるので、ここを有効活用します。
- キービジュアルやブランドカラーを固定配置し、ブランド印象を残す
- お問い合わせボタンやメニューを固定配置し、次のアクションへのスムーズな移動を促す
4. 開発・検証プロセスの効率化
PCとスマホ共通部分が多くなり、工数削減が期待できます。
- 画面幅に応じたレイアウト分岐がなくなる(または減る)
- デバイスごとの表示崩れチェックや修正の工数を削減できる
ただし、PC版の左右固定エリアを作る手間は増えます。個人的には、総合的な制作コストと運用時の更新負担は下がると感じます。
このレイアウトを採用するかどうかの判断ポイント
採用した方がいい場合
- 対象ユーザーがほとんどスマホから閲覧しているとき
- 制作工数を減らしたいとき
- WEBページの目的が「申し込み」や「会員登録」など1つのゴールへ移動するのが目的の場合
採用しない方がいい場合
- ポートフォリオや商品写真など、グラフィックを大きくたくさん見せたいとき
- 大画面や大きな文字サイズで閲覧したいユーザーを対象にしているとき
このサイトではこのレイアウトを採用していませんが、記事本文は1カラムとし幅を狭めると読みやすい、という考え方は取り入れたレイアウトにしています。
よくある質問(FAQ)
Q. モバイルファーストLP・中央1カラム配置はどんなときに採用しますか?
レイアウト自体のメリットではなく、ユーザーの閲覧環境とページの目的で判断します。閲覧のほぼ全てがスマホからであれば、制作工数の削減を目的に採用するのが合理的です。PCからの閲覧もある場合は、1ページで完結して申し込みや会員登録へ移動する目的であれば、この形が向いています。
Q. 記事メディアやブログの場合もモバイルファーストLP・中央1カラム配置がいいですか?
他のページにも移動し回遊するようなサイトにはあまり向いていません。
Q. モバイルファーストLP・中央1カラム配置にすると、制作コストは下がりますか?
スマホ部分にあたるメインコンテンツのレイアウト分岐がほぼなくなるため、デバイスごとのチェックや修正にかかる工数を減らせます。ただし、PC用の左右固定エリアを作る手間は増えます。個人的には、総合的な制作コストと運用時の更新負担は下がると感じています。
Q. 1行の文字数はどれくらいが読みやすいですか?
『The Elements of Typographic Style』では1段組で45〜75文字(英語)とされ、Webの可読性調査でも50〜75文字が目安とされています。日本語は全角で文字が詰まるぶん、30〜40字程度が目安です。
参考文献
- Readability: The Optimal Line Length|Baymard Institute
- Optimal Line Length for Readability: The 50–75 Character Rule Explained|UXPin
- 『The Elements of Typographic Style』Robert Bringhurst(Hartley & Marks Publishers)