iDeCo(イデコ)とは?
iDeCoは、正式名称を個人型確定拠出年金と言い、老後資金を準備するための非課税制度です。 NISAと並び、代表的な「資産形成の税優遇制度」のひとつとして位置付けられています。
自分で決めた掛金(毎月の積立金額)を出し、用意された商品の中から運用方法を選びます。 原則60歳以降に、積み立てた掛金と運用の成果を受け取るしくみです。
iDeCoの税の優遇
金融庁の資料では、iDeCoの税の優遇として次の3つが挙げられています。
| 場面 | 優遇の内容 |
|---|---|
| 掛金を出すとき | 毎年の所得税や住民税が少なくなる |
| 運用しているとき | 運用益が非課税 |
| 受け取るとき | 受け取り時に支払う税金が少なくなる |
毎月の掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象として整理されており、その年に支払った掛金の全額が所得控除になります。 このしくみによって、毎年の所得税や住民税が軽減されます。
節税額の目安
iDeCoによる年間の節税額は、おおよそ次の式で考えられます。
年間の節税額 = 年間の掛金 ×(所得税率 + 住民税率)
住民税の所得割は、原則として一律10%です。 所得税は累進課税のため、所得が高いほど税率も上がるしくみです。
たとえば、所得税率10%・住民税率10%の人が、年間276,000円(月23,000円)の掛金を出した場合は、次のように考えられます。
276,000円 ×(10% + 10%)= 55,200円
所得税率が高い人ほど、所得控除による節税効果は大きくなる傾向があります。
iDecoの所得控除については以下で説明しています。
iDeCoの主なルール
iDeCoの対象者は原則20歳以上65歳未満(公的年金被保険者)です。掛け金の限度額は、職業によって異なります。
| 区分 | iDeCoの拠出限度額(月額) |
|---|---|
| 国民年金のみに加入の自営業者など | 68,000円 |
| 会社員(企業年金なし) | 23,000円 |
| 会社員(企業年金あり) | 最大20,000円(加入状況により異なる) |
| 公務員 | 12,000円 |
| 専業主婦(夫)など | 23,000円 |
会社員の場合は、勤め先の年金制度によって上限額が変わるため、詳しくは勤務先で確認しましょう。
iDeCoで投資できる商品
iDeCoの投資可能商品は、投資信託・保険商品・定期預金など、金融機関が提示する商品の中から選択することが示されています。 投資方法は、定期的に定額を積み立てるしくみです。
商品は大きく2つのタイプに分けて考えられます。
- 元本確保型:定期預金や保険など。値動きは小さい一方、収益性は低くなる傾向があります。
- 投資信託:株式や債券などに分散して投資するしくみ。元本割れリスクはありますが、長期の運用で収益性が期待できます。
投資信託については以下で説明しています。
iDeCoのうれしいポイント
iDeCoは、老後資金を準備しながら税の優遇を受けられる点が特徴です。
掛金が全額所得控除になる
その年に支払った掛金が所得控除の対象になり、所得税や住民税の負担軽減につながります。
運用益が非課税になる
運用中に得た利益に税金がかからず、そのまま再投資に回せます。
受け取るときにも税の優遇がある
年金として受け取る場合や一時金として受け取る場合に、一定の控除を使えます。
老後資金として別管理しやすい
原則60歳まで引き出せないため、老後用のお金として積み立てやすい制度です。
はじめる前に知っておきたい注意点
iDeCoには税の優遇のメリットがある一方、利用するうえでの注意点もあります。
- 原則60歳まで引き出せない
- 運用結果によっては元本割れの可能性がある
- 所得が少ない人は、所得控除のメリットを受けにくい
- 自身の収入がなく、所得税や住民税を納めていない場合は、所得控除による節税メリットを受けられない
NISAとの違い
金融庁の資料では、NISAとiDeCoはどちらも代表的な非課税制度として紹介されています。 ただし、目的や引き出しのルールに次のような違いがあります。
| 項目 | NISA | iDeCo |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 少額投資非課税制度(資産形成) | 個人型確定拠出年金(老後資金) |
| 払い出し制限 | いつでも可能 | 原則60歳まで不可 |
| 税の優遇 | 運用益が非課税 | 運用益が非課税/毎年の所得税・住民税が少なくなる/受取時の税負担も軽減 |
NISAとiDeCoは併用が可能です。目的に応じて、両方を組み合わせる選択肢もあります。
NISAとの違いについては以下で詳しく説明しています。
まとめ
- iDeCoは、老後資金を準備するための個人型確定拠出年金です。
- 掛金は全額所得控除になり、所得税や住民税の負担軽減につながります。
- 運用益は非課税で、受け取るときにも税の優遇があります。
- 原則60歳まで引き出せないため、近く使うお金とは分けて考えましょう。
- 生活資金を確保したうえで、無理のない金額で計画的に活用しましょう。
参考・出典
- 資産運用立国について|金融庁
- NISA特設ウェブサイト|金融庁
- 金融庁「最低限身に付けたい金融リテラシー(応用編)4.『貯める・増やす』〜資産形成」(PDF)
- 金融庁「基礎から学べる金融ガイド」(PDF)
- 国税庁タックスアンサー「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」