ステーブルコインとは?
ステーブルコイン(stablecoin)とは、米ドルや日本円などの法定通貨や、金などの資産に価値を連動させることで、価格の安定(stable)を目指して設計された暗号資産です。
ビットコインやイーサリアムは需給によって価格が大きく動きますが、ステーブルコインは1コイン=1ドルなどの価値を保つよう仕組みが組み込まれています。世界では送金・決済・暗号資産取引の決済通貨として広く使われています。
なぜ「価格を安定」させる必要があるのか
ビットコインのように価格が大きく動く暗号資産は、投資対象として注目される一方で、日々の支払いや送金には使いづらい面があります。
- 商品代金として受け取った直後に値下がりすると損になる
- 国際送金の途中に価格が動くと、受取額が変わってしまう
- 決済の請求や精算が複雑になる
そこで、価格が安定したデジタル資産として登場したのがステーブルコインです。暗号資産の利便性(24時間・国境を越えた送金)と、法定通貨の価格の安定を組み合わせる狙いがあります。
ステーブルコインの主な種類
ステーブルコインは、価値を安定させる仕組みによって大きく3つに分けられます。
1. 法定通貨担保型
発行者が、発行したコインと同額の法定通貨や安全資産を保有することで価値を裏付けます。最も主流のタイプで、世界的に流通するUSDT(テザー)やUSDCはこのタイプです。
2. 暗号資産担保型
価格変動の大きい暗号資産を担保にするため、価値を保つために多めの担保(過剰担保)を預け入れる設計が一般的です。
3. アルゴリズム型
担保資産を持たず、価格が下がりそうなときに供給量を減らすなど、プログラムによる自動調整で価値を保とうとします。2022年のTerraUSDの暴落のように、市場の信頼を失うと一気に価値を失うリスクが知られています。
日本での位置付け(電子決済手段)
日本では、2023年6月に施行された改正資金決済法により、ステーブルコインは電子決済手段として整理されました。暗号資産(ビットコインなど)とは別の枠組みで扱われている点が特徴です。
主なルールは次のとおりです。
- 法定通貨建てで、額面どおりの価値で償還できることが原則
- 発行できるのは銀行・資金移動業者・信託会社に限定
- 利用者保護のため、裏付け資産の管理ルールが定められている
- 仲介する事業者には電子決済手段等取引業の登録が必要
暗号資産・CBDCとの違い
ステーブルコインは、似た言葉が多くて混乱しやすい分野です。整理すると次のようになります。
| 項目 | 価格の安定 | 発行主体 |
|---|---|---|
| ステープルコイン | 安定するよう設計 | 民間 |
| 暗号資産 | 大きく変動 | 特定の発行者なし/民間 |
| 中央銀行デジタル通貨(CBDC) | 法定通貨と連動 | 中央銀行 |
利用するときの注意点
日本では制度が整いつつありますが、海外発行のステーブルコインを使うときは注意が必要です。
- 利用する前に、金融庁に登録された電子決済手段等取引業者かどうかを確認する
- 海外発行のステーブルコインは、日本の制度の保護対象外となる場合がある
- 裏付け資産の中身(現金・国債・他の暗号資産)と、その情報開示の状況を確認する
- 「高利回り」「絶対安全」といった勧誘は警戒する
確定申告での扱い
ステーブルコインを売買して利益が出た場合、税務上の取り扱いは取引内容によって異なります。
- 暗号資産同士の取引や、ステーブルコインから日本円に換えた利益は原則として雑所得になる場合が多い
- ステーブルコインを送金や決済目的だけで利用していても、受け取り時と支払い時の価格差で所得が生じる可能性がある
- 取引の記録(受取・支払・残高)を細かく残しておくのが重要
税務の扱いは制度改正で変わることがあります。最新の情報は国税庁のページや税務署で確認しましょう。
まとめ
- ステーブルコインは、米ドルや円などに価値を連動させて値動きを抑えた暗号資産で、送金や決済の手段として利用が広がっています。
- 法定通貨担保型・暗号資産担保型・アルゴリズム型に分かれ、安定の仕組みやリスクは種類ごとに大きく異なります。
- 日本では2023年の資金決済法改正で電子決済手段として整理され、銀行・資金移動業者・信託会社が発行できる枠組みです。
- 利用する前に、登録業者か・裏付け資産は何かを必ず確認しましょう。